BanG Dream! It's MyGO!!!!!

BanG Dream! It's MyGO!!!!!：鬱屈とした青春の共感と反響を呼ぶバンドアニメ

2023年6月から9月にかけてTOKYO MXほかにて放送されたTVアニメ「BanG Dream! It's MyGO!!!!!」は、ブシロードのメディアミックスプロジェクト『BanG Dream!』を原案とする作品です。従来の『BanG Dream!』シリーズとは一線を画す、重く、鬱屈とした青春の物語が展開され、多くの視聴者の共感と反響を呼びました。2024年には、再編集劇場版『劇場版「BanG Dream! It's MyGO!!!!!」』の前編「春の陽だまり、迷い猫」と後編「うたう、僕らになれるうた & FILM LIVE」が公開予定です。

ストーリー：CRYCHICの解散とMyGO!!!!!の誕生

物語の中心となるのは、中学生バンド「CRYCHIC」です。メンバーである高松燈、長崎そよ、椎名立希、若葉睦、そして発起人である豊川祥子。しかし、祥子の脱退をきっかけにCRYCHICは解散します。

時が流れ、燈は羽丘女子学園に入学。そこで出会った千早愛音らと共に、新たなバンド「MyGO!!!!!」を結成します。しかし、初ライブでCRYCHIC時代の楽曲「春日影」を演奏したことで、会場にいた祥子は過去のトラウマから涙ながらに逃げ出し、その光景を目の当たりにしたそよは激しい感情の波に襲われます。その後、燈のソロ活動を経て、再びメンバーが集結。5人はMyGO!!!!!として再出発を切ります。

登場人物：MyGO!!!!!とAve Mujica、そして周囲の人々

物語には、MyGO!!!!!のメンバーである高松燈、長崎そよ、椎名立希、千早愛音、要楽奈、そしてAve Mujicaのメンバー若葉睦、豊川祥子、八幡海鈴、祐天寺にゃむ、三角初華らが登場します。それぞれのキャラクターは個性豊かで、複雑な人間関係や葛藤が物語を彩ります。また、純田まななど、周囲の人物も物語に深く関わっています。

制作：これまでのバンドリ！アニメとは異なるアプローチ

本作は、根本雄貴総合プロデューサーが「キラキラドキドキしていない」と明言するほど、従来の『BanG Dream!』シリーズとは異なるアプローチがとられています。柿本広大監督は、制作発表会で「メンバーが好きだから集まったという枠組みを外してみよう」というコンセプトを明かしました。

スマートフォン向けアプリ『バンドリ! ガールズバンドパーティ!』(ガルパ)との連携も重要な要素となっています。MyGO!!!!!とAve Mujicaはガルパにも登場することから、メンバーの所属高校などがガルパの設定に合わせたものとなっています。また、ライブハウスの設定や、Poppin'Partyのメンバーの登場など、ガルパとの繋がりを巧みに演出しています。

キャスティングと演技：オーディションで選ばれた実力派声優陣

MyGO!!!!!のメンバーはオーディションで選抜され、それぞれのキャラクター像を深く理解した声優陣が熱演しています。羊宮妃那（高松燈役）、小日向美香（長崎そよ役）、林鼓子（椎名立希役）、立石凛（千早愛音役）、青木陽菜（要楽奈役）は、オーディションや収録時のエピソードを語っており、キャラクター像を深く理解し、自身の経験や技術を活かしながら演じていることがわかります。Ave Mujicaメンバーの声優陣も、それぞれキャラクターの複雑な心情を繊細に表現しています。

美術と音楽：バンドの対照的な世界観を表現

MyGO!!!!!とAve Mujicaという2つのバンドの対照的な世界観は、舞台演出や音楽にも反映されています。MyGO!!!!!の質素なステージ演出に対し、Ave Mujicaは完全にコントロールされた舞台演出となっています。音楽はElements Gardenの藤間仁と藤田淳平が共同で制作。従来の作品とは異なる、重厚で落ち着いた音楽が用いられています。また、キャラクターごとのテーマ曲も制作され、それぞれのキャラクター像をより深く理解できるようになっています。特に「春日影」は、物語のキーとなる楽曲であり、CRYCHIC版とMyGO!!!!!版の両方が作られています。

関連作品：YouTubeショートアニメ『MyGO!!!!!メンバーの日常』

YouTubeで配信されているショートアニメ『MyGO!!!!!メンバーの日常』は、テレビシリーズとは対照的な雰囲気で、MyGO!!!!!メンバーの日常を描いています。森井ケンシロウ率いるスタジオモリケンが制作を担当。本編とは異なるキャラクターの一面を見せることで、視聴者に新たな魅力を届けています。

反響と評価：異彩を放つ青春バンドアニメ

「BanG Dream! It's MyGO!!!!!」は、鬱屈とした青春のリアルな描写や、キャラクター間の複雑な人間関係が話題となりました。特に「なんで『春日影』やったの！？」というセリフは大きな反響を呼びました。オリコンの遠藤政樹氏は、本作がバンドアニメやプロジェクト全体の中でも異彩を放つ作品であると評価しています。

本作は、従来のキラキラした青春バンドアニメとは異なる、新しいタイプのバンドアニメとして、多くの視聴者から支持を得ています。劇場版の公開も予定されており、今後の展開にも注目が集まっています。

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